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[クラシック・ニュース 2003/05/11-2003/05/17]

5月16日(金)
江藤光紀:東京音楽通信〔2〕2003年5月

◆東京音楽通信〔2〕 2003年5月

【小澤征爾・来し方行く末】

●小澤征爾オペラ・プロジェクト
 七十を前にしてオペラ指揮者としての新境地を切り開きつつある小澤征爾、モーツァルトのダ・ポンテ三部作に続いて、今年のオペラ・プロジェクトは喜歌劇二題に挑戦します。千秋楽の模様を(4月24日、東京文化会館)。

 『スペインの時』という台本にラヴェルがつけた音楽は、好奇心が旺盛で、どんなガラクタでも集めないと気がすまない少年のおもちゃ箱のように意趣がいっぱいに詰まっています。内外のトッププレーヤーで編成されたオーケストラが、この玉手箱のようなスコアをきらきらと、つややかにリアライズ。モノにこだわるフェティッシュな時計屋の店内も、そんな音楽にあわせて、闘牛の剥製や人骨模型、安っぽいイコンや着古したドレスなどガラクタがいっぱい(美術:キャロリン・ジネ、フロレンス・エブラル)。時計屋の浮気妻(シュターデ)のもとに訪れる詩人(ロベルト・サッカ)・銀行家(ヴァン・ダム)、それに怪力のロバ引き(ジョン・ハンコック)の間に繰り広げられるドタバタ劇は、セクシャルな隠喩に満ちたものですが、長大なアリアや重唱のほとんどないスコアであっても、笑わせるところできちんと笑いを取って、お客を満足させるのが歌唱陣の底力というものでしょう。

 前半ではまだ堅い雰囲気が残っていた会場も、後半『ジャンニ・スキッキ』(プッチーニ)になるとずいぶんとほぐれてきたようでした。『スペイン』がセクシャルな笑いだとすれば、こちらは、金持ち老人の遺産相続をめぐるブラックな笑い。舞台は前半とのつながりを残し、フィレンツェの町並みを模した時計の山。人や小道具の動かし方(例えば、スキッキの寝ているベットを回転させるなど)のテンポに、演出家ローラン・ぺリの手腕が十二分に発揮され、はちゃめちゃ度はさらにヒートアップ。スキッキ役のヴァン・ダムはさすがにヴェテランの余裕を感じさせる演技で、難しい役所をこなしていました。

 この二作のシニカルな笑いの根底には、生や死に対する覚めた視線やペーソスがあるのですが、今回のような優れた芸術家たちの手にかかると嫌味には聞こえず、逆説的な形で私たちの心に深い共感と温かみを呼び起こします。

 本公演では、役者・舞台・演出・音楽、どれも水準が極めて高かったために、観客は自然な形でオペラのドラマトゥルギーの中に引きこまれ、日常を忘れてアヴァンチュールを愉しんでいたようでした。まさに贅を尽くした一夜でした。

クラシックニュース:関連記事
http://music.co.jp/classicnews/c-news/2003/0413-0419.html#5


●“N響事件”の顛末(浅利慶太「時の光の中で」文藝春秋5月号)
 ウィーン国立歌劇場への就任に毎日音楽賞やサントリー音楽賞などの受賞が続き、音楽界から社会的文化人へと色合いが変わってきた小澤。このところ、その“偉業”を振り返るCDや書籍がショップにあふれています。EMIが先ごろ、小澤が同レーベルに残した音源のうち10枚を再発したのに続いて、来月は通販でコンプリート・レコーディングズのボックス・セットを発売します。そのブックレット執筆が回ってきたこともあって、この一月ばかりは、私も小澤の書籍やCDと格闘する毎日を送っておりました。

 EMI音源は70年代から80年代にかけて録音されたものがほとんどですが、若い小澤のうねるような音楽作りが楽しめる名盤ドキュメントもあれば、今回初めてCD化されたコレクターズ・チョイスもある。なかなか面白いセットになっていると思います(以下にCD情報を掲載します)。

 ところで、小澤の華々しい来し方にはさまざまな“証言”が残されていて、その半生を振り返る材料には事欠かないのですが、唯一、いくら書物をひっくり返しても経緯がはっきりしない事項があります。1962年のN響、定期演奏会ボイコット事件、いわゆる”N響事件”です。

 舞台も客席もがらんとしたホールに小澤が一人突っ立っている異様な写真は有名ですが、事実関係については日本の老舗オケが外国帰りの“若造”を叩いた、程度の内容しか残っていない。直接関係のあった人々がまだまだ現役では、正確で客観的な記述も難しく、多くの方が口をつぐんでしまったのでしょう。しかし、時間がたつと調べても分からなくなってしまうこともあります。例の写真にも演出がかった作為が感 じられ、いったいどういう経緯で撮影されたのか、疑問でした。

 実は、本HP「クラシック・ニュース」、プロデューサーの藪田益資氏も当時、小澤の周辺で仕事をなされており、N響事件のおりも現場で奔走した経験をお持ちで、当時のことを懐かしく振り返られたお話をちらと伺ったこともありましたが、核心に触れる話になると口が重くなって、いろいろなご苦労があったのだな、と推察したりもしたものでした。

 そんな矢先、文藝春秋に小澤の親友、演出家の浅利慶太がこの事件の顛末を記したエッセイを発表。うーん。なるほどね。巨大組織NHKにどうやって立ち向かうかという戦略の、ずいぶん思い切った回想録になっています。浅利氏自身も含め、今は大御所になった面々の、若き日の姿も登場、さらに例の写真撮影の種明かしもあり。より客観的な事件像も描くためにも、これをきっかけにそろそろタブーを紐解いて、他の関係者の発言がでてくるといいですよね。


◎新譜CD情報(6月10日発売)
小澤征爾 ザ・ゴールデン・レコーディングス
 
CD14枚組 税抜:20000円 税込:21000円(東芝EMI)
世界中が待っていた!!”オザワ”黄金期の輝かしい録音が、今、最新リマスターでよみがえる!!1960〜80年代を中心に、若き小澤征爾が残した、ドラマティックで、情熱的な名演の数々。ベルリン・フィル、ボストン響、パリ管他、世界の名門オーケストラを指揮した、小澤ならではのレパートリー。世界中のEMIに残した貴重な録音を今ココ日本で初の完全収録BOX実現!!初CD化音源(5曲あり!!)も聴き逃せません!!
http://familyclub.ne.jp/detail.msp?id=1606



【フルネ九十歳】

●東京都交響楽団プロムナードコンサート第302回
 先日九十歳の誕生日を迎えたジャン・フルネ。
 初来日が1958年、都響を最初に振ったのが78年で、日本の楽壇にはすっかり欠かせない長老になりました。眼の病気が回復しないということで、当日のプログラムではコンチェルトの指揮を代役に任せることになりましたが、心配したような衰えはなく、足取りも棒もしっかりして、大丈夫、まだまだやれます。めざせ日本楽壇半世紀(4月19日、サントリー・ホール)。

 一曲目『フィガロの結婚』序曲はオーボエとファゴットのリード木管勢が爽快な演奏を聴かせてくれました。ただ、全体に古い活字で印刷された本を読んでいるように、弦が打ち消しあっている感じがして、私はもうちょっと各セクションがクリアに、立体的に鳴るほうが好きです。木管群も弦になじむよりは音色が立ってくるほうがよかった。

 後半、『アルルの女』第二組曲でも、弦のテクスチュアが埋没している印象(席が悪かったのかな)。アンサンブルにも毛羽立った感じが・・・。最後の『ルーマニア狂詩曲第一番』(エネスコ)でようやくサウンドに厚みが出てきました。エキゾティックで痛快な後半部をアンコールでも繰り返していましたが、これは楽しい演奏。でもフルネって、年とともにカリスマ的な味わいがでてくるっていうタイプではないみたい。みんな割と自由にやっている感じで。

 ところで、この日の特記事項はなんと言っても、前半二曲目の『ピアノ協奏曲第四番』(ベートーヴェン)を弾いたピエール=ロラン・エマール(指揮・梅田俊明)です。
  現代音楽のスペシャリストということで、シャープでメカニックなベートーヴェンをイメージしていたのですが、全然違う。まず、音が澄んでいて大変美しく、この作品が持つ壊れやすい叙情性を、やさしい手つきでそっと掬いだすといった風情なのです。単音で鳴らされる高音域のメロディーも豪奢な装飾楽句も、力で押したり、テクニックでやり過ごすようなところがまったくない。ちょっとびっくりしましたが、よく考えると四番という選曲自体が、エマールの音楽的な資質の一面を物語っているのかもしれません。アンコールが、エッジのとがった超絶技巧(リゲティ『エチュード第十七番』)だったのは、フランス人特有のエスプリと前向きに捉えておきましょう。

クラシック・ニュース:関連記事
http://music.co.jp/classicnews/c-news/2003/0413-0419.html#4



【キャバレー・シェンベルク】

●奈良ゆみ・ソプラノ・リサイタル
 ・・・とタイトルを書いてみて、ちょっと違和感が。「奈良ゆみ・ひとり芝居」。こっちのほうが、似合うかな。
 当夜のプログラムは、初期シェーンベルクがキャバレーの出し物として書いた5曲の歌曲(ピアノ伴奏・谷口敦子)の後、同じくシェーンベルクが編曲したシュトラウスの『皇帝円舞曲』(室内楽合奏)、休憩をはさんで『月に憑かれたピエロ』。それぞれに趣向が違う作品が並べられましたが、全体には奈良の演劇的な身振りが際立った印象を残した一夜でした(4月22日、トッパン・ホール)。

 5曲のドイツ語カバレット・ソングの、それぞれの作品の前に、奈良は歌詞の内容を日本語で簡潔に要約してみせたのですが、これが説明とも朗読ともつかない寸劇(まさにひとり芝居)になっていて、歌曲の演奏というより、一つのパフォーマンスとして完成された表現を感じました。これらのキャバレー・ソングは娯楽性よりも、シリアスな音楽性を追求したもので、(シャンソンのような歌唱法ではなく)オペラティックに歌ってしまうと、クラシカルなレパートリーと区別がつかなくなってしまいます。でも、それではカバレットの猥雑な雰囲気が消えてしまうわけで、ここらへんの微妙な難しさを、軽妙な寸劇がうまく救っていました。ただドイツ語の発音は手本どおりすぎて、もっとあくや下品さがあったほうがいいように思います。

 裸足に白い衣装をまとい、トランス状態の道化師になりきって登場した『月に憑かれたピエロ』は、さすがにレパートリーというだけの貫禄を感じさせる“演技”でした。シェーンベルクの無調音楽には、歌詞について描写的に流れる部分はほとんどないのですが、にもかかわらず、歌詞と音楽が内容として一体化していることが、まったく自然に了解されるのです。素足で舞台に根を生やし、重心を背中において突っ立っているピエロの脱力感が、作品を支える“なまめかしさ”の場所になっていて、夜中に白いシーツをはためかせる洗濯女、断頭台の幻想といった奇怪なイメージの数々は結局、いつもこの表現のゼロ度に帰ってくる。奈良の身体は、イメージを通じて詩句と楽音とを相互に切り結ぶ一本の樹木と化していました。

 真ん中に演奏された『皇帝円舞曲』も含め、器楽グループ(指揮・寺嶋陸也)も期待以上の水準で、難曲『ピエロ』でも粉れた表現を聞かせてくれました(特にチェロに拍手)。もう少しお客さんが入ると、いうことなしですね。

クラシック・ニュース:関連記事
http://music.co.jp/classicnews/c-news/2003/0413-0419.html#1



【ドイツ風オーケストラへ】

●読売日本交響楽団第415回定期演奏会
 2003/2004年シーズンのオープニングを聴いてきました(4月28日、サントリー・ホール)。常任指揮者ゲルト・アルブレヒトの棒で、モーツァルトの25番のシンフォニーとブルックナーの『ロマンティック』 。成功裡に終わった二月の欧州ツアーの凱旋公演ともなる舞台です。

 演奏を聴きながら、前回の欧州ツアー、2000年のフランクフルト・アルテオーパーの光景が何度もよみがえってきました(会場で配布された小冊子の望月京氏の紀行文に共感)。即物的にぐいぐい押していくアルブレヒトの基本姿勢は当時も今もほとんど変化はない。しかし、あの頃はオーケストラの側にまだ若干線の弱いところが見られて、日本の水準がドイツのオーケストラに及ばないところだと実感したものです。ところがこのオープニング・コンサートでは、当時とサウンドががらりと変わっていました。芯のつまったずっしりとした手ごたえのある響き。たとえてみれば、ふわふわの食パンの食感から、身のつまった黒パンの歯ごたえへと変わったと申しましょうか。アンサンブルにも練りこまれた、細やかな芸がみられるようになった。

 たとえば、25番ソナタ・アレグロの第一主題のあと、冒頭のコードをオーボエがなぞる部分がありますが、この単純なロングトーンで、オーボエ奏者は和声の意味合いの変化、緊張と弛緩の感じを表現しなければなりません。アルブレヒトが要請する基本的な枠や拍節はリジットですが、そのような制約を乗り越えて柔軟性が表現できれば、聴き手の耳に確かな造形感を刻み付けることができます。弦セクションも単に音域が違う同質の楽器というのではなく、必要なところでは各パートにはっきりとした色がでてきて、奥行きのあるサウンド構成が可能になった。そして、重量感と輝かしさを兼ね備えたブラス・セクション!

 極上のブルックナーには、オルガンのように均質でバランスのとれたアンサンブルが不可欠ですが、この日の読響は、がっちりと足場を固めたホルンとトロンボーンの上に、トランペットがバランスよくのって、一つの巨大な楽器さながらに息の合ったアンサンブルを聞かせてくれました。

 日本のオーケストラにドイツ風の響きや構築性を求めることには、半ばあきらめを感じておりました。日本の楽団はもっと別の音作りで勝負するのがいい、と。しかし、この日の読売日響を聴いて、少し見方が変わりました。こういう方向で、重みに深みを加えていってほしい。期待してます。


江藤光紀(音楽評論・現代文化論)

●略歴:江藤光紀
音楽評論・現代文化論など。一橋大学博士課程修了。博士(社会学)。1998-2001年独ミュンヘン大留学。現在、愛国学園大学人間文化学部講師。主著「カンディンスキー/コンポジションとしての絵画」(コスモスライブラリー1998)




5月16日(金)
ピアノ:クリスチャン・ツィメルマンが6年ぶりに日本公演を!

  ピアノ:クリスチャン・ツィメルマンが1997年以来6年ぶりに来日した。記者会見で6年のブランクについて、エネルギーをかけて自ら出資して立ち上げた「ポーランド祝祭管弦楽団」のことを熱く語った。ツィメルマンの記者会見の様子が詳しく記載されている。

ジャパンアーツHP
http://www.japanarts.co.jp/index2.html

 ツィメルマンの「ポーランド祝祭管弦楽団」に関するホームページも写真がたくさん使用されていて、なかなか楽しい内容となっている。
http://www.polishfestivalorch.com/


 ◆《クリスチャン・ツィメルマン ピアノリサイタル》
2003年
5月20日(火)19:00 東京 東京文化会館 A
5月27日(火)19:00 東京 サントリーホール A
5月28日(水)19:00 東京 東京芸術劇場(追加公演) B
問:03-3499-9990


◆各地の公演
5月17日(土)18:30 壬生 壬生町中央公民館 A
5月18日(日)15:00 武蔵野 武蔵野市民文化会館 A
5月23日(金)19:00 岐阜 サラマンカホール A
5月24日(土)15:00 大阪 ザ・シンフォニーホール A
5月25日(日)17:00 豊田 豊田市コンサートホール A


【プロ:A】
◎ブラームス:6つの小品 作品118
◎ベートーヴェン:ピアノソナタ第31番 変イ長調
◎ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番 ヘ短調
【プロ:B】
◎ブラームス:6つの小品 作品118
◎ベートーヴェン:ピアノソナタ第31番 変イ長調
◎ショパン:即興曲第2番 嬰へ長調 作品36
◎ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 作品58




5月15日(木)
【新譜CD情報】アンサンブル・プラネタ『麗しのアリア』

◆アンサンブル・プラネタ『麗しのアリア』
 〜3rdアルバム


 曲目:
01. アメイジング・グレイス /作詞:J.ニュートン
02. G線上のアリア/作詞:伊藤美佐子、高橋美千子 作曲:J.S.バッハ
03. オンブラ・マイ・フ /G.F.ヘンデル
04. うつろな心 /G.パイジェッロ
05. スカボロー・フェア(イングランド民謡)
06. 愛する人に林檎をあげよう(イングランド民謡)
07. あなたがいてくださるならば /G.H.シュテルツェル(伝J.S.バッハ)
08. アリア /詩:聖フランチェスコ「被創造物の頌歌」より 作曲:G.P.テレマン
09. メヌエット /作詞:村田悦子、池城淑子 作曲:C.ペツォルト(伝J.S.バッハ)
10. ブラック・イズ・ザ・カラー(民謡)
11. Oyasumi /作詞・作曲:書上奈朋子
演奏:アンサンブル・プラネタ
編曲:書上奈朋子
会社:Canyon Classics/PCCA-01884/¥2,940(税込)

 アンサンブルの編成が一名増えただけで、これだけ魅力が大きくなったのには驚く。クラシック・ア・カペラのヴォーカル・グループとして2001年11月リリースした1stアルバムのデビューから注目していた。この度、編成が変わり新生プラネッタが誕生してハーモニーの厚みや高度なテクニックから醸し出される音楽は極めて個性的で惹かれる。個々の歌い手の特徴をうまく引き出したアレンジャーの書上奈朋子の編曲も大きい効果を生む要因となっている。

ポニーキャニオン:アンサンブル・プラネタ
http://www.ponycanyon.co.jp/international/c_classic/artist/ensamble/
アンサンブル・プラネタ(オフィシャルHP)
http://www.h3.dion.ne.jp/~toera/planeta_top.html


◆CDプロモーション
 ●5月17日(土)
 14時 銀座山野楽器本店 問:03-3562-5051
 17時 HMV渋谷 5Fクラシックフロア 問:03-5458-3411
●5月18日(日)
 15時 タワーレコード新宿店 問:03-5360-7811


◆コンサート
6月19日(木)19時 札幌:札幌コンサートホール 問:011-241-3871
6月28日(土)18時半 茨城:常陽藝文センター 問:029-231-6611
7月11日(金)19時 東京:浜離宮朝日ホール 問:03-3267-9990
7月16日(水)18時半 青森:青森市文化会館 問:0177-73-7300
7月17日(木)18時半 函館近郊:上磯町総合文化センター 問:0138-74-2000
7月21日(月・祝日)18時半 東京・東大和市ハミングホール 問:0425-90-4411




5月14日(水)
高関健(指揮)大阪センチュリー交響楽団常任最後の定期:ベートーヴェン交響曲全曲CDも完結

高関健/写真
photo: M.Yabuta 
 1997年から6年間、大阪センチュリー交響楽団の常任指揮者をつとめた高関健が、2003年5月16日いずみ定期演奏会を最後に離任する。このコンサートでは彼の最も得意とするプロで望む。

 編成の小さいオーケストラの曲目には限界があった。しかし大阪センチュリー交響楽団のレパートリーを拡げることに大きな功績があった。大阪センチュリー交響楽団とは2000年4月からベートーヴェンの交響曲全曲シリーズに取り組んだ。そのライブから全曲のCDを完結させた。ベーレンライター版を使用した透明度の高い端正な演奏と評価が高い。
 
高関健が大阪センチュリー交響楽団とのコンサート&ベートーヴェン全曲CD完結を語る。
http://music.co.jp/classicnews/interview/

 2003年4月から札幌交響楽団の正指揮者のポストに就いた。4月の定期でスメタナの交響詩「我が祖国」(全曲)を演奏。スタートにふさわしい見事なコンサートとなった。
 高関健が音楽監督をつとめる群馬交響楽団とは、5月23日に東京公演を、5月25日には第400回定期演奏会でヴェルディ:歌劇「ファルスタッフ」(演奏会形式)を指揮するなど意欲的な活動が続く。


 ◆《大阪センチュリー交響楽団 いずみ定期演奏会 No.15 》
2003年5月16日(金) 19時 大阪・いずみホール

◎ヴォルフ:イタリアのセレナーデ
◎ベルク:室内協奏曲
ヴァイオリン:漆原朝子
ピアノ:永野英樹
◎バルトーク:弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽
指揮:高関健
問:06-6868-0591
大阪センチュリー交響楽団
http://www.mydome.or.jp/century/


◆大阪センチュリー交響楽団 ベートーヴェン交響曲全曲CD
新ベーレンライター版による

 ●ベートーヴェン交響曲全集1
交響曲第1番ハ長調Op.21・交響曲第3番変ホ長調Op.55「英雄」

高関 健 指揮 大阪センチュリー交響楽団
WWCC-7385 ¥2835

 ●ベートーヴェン交響曲全集2
交響曲第2番ニ長調Op.36・交響曲第5番ハ短調Op.67「運命」

高関 健 指揮 大阪センチュリー交響楽団
WWCC-7393 ¥2835

 ●ベートーヴェン交響曲全集3
交響曲第4番変ロ長調Op.60・交響曲第6番ヘ長調Op.68「田園」

高関 健 指揮 大阪センチュリー交響楽団
WWCC-7409 ¥2835

 ●ベートーヴェン交響曲全集4
交響曲第7番イ長調Op.92・交響曲第8番ヘ長調Op.93

高関 健 指揮 大阪センチュリー交響楽団
WWCC-7418 ¥2835

 ●ベートーヴェン交響曲全集5
交響曲第9番ニ短調Op.125「合唱」

高関 健 指揮 佐々木典子(Sop)、永井和子(Alt)、福井敬(Ten)、直野資(Bar)
大阪センチュリー合唱団・本山秀穀(合唱指導)
WWCC-7430 ¥2835

ナミ・レコード
http://www.nami-records.co.jp/nami/index2.html


◆群馬交響楽団:コンサート情報
 ●東京公演 群響定期第400回を記念して
2003年5月23日(金) 18時半 すみだトリフォニーホール


●第400回定期演奏会
2003年5月25日(日)16時 群馬音楽センター

◎ヴェルディ/歌劇《ファルスタッフ》演奏会形式(原語上演・字幕付き)
指揮:高関 健(群響音楽監督)
ファルスタッフ:福島 明也
フォード:大島 幾雄
フェントン:福井 敬
医師カイウス:小貫 岩夫
バルドルフォ:経種 廉彦
ピストラ:志村 文彦
アリーチェ:三縄 みどり
ナンネッタ:澤畑 恵美
クイックリー夫人:竹本 節子
ページ夫人メグ:栗林 朋子

群馬交響楽団
http://www1.ocn.ne.jp/~gunkyo/




5月14日(水)
【新刊案内】すべての弦楽器ファンに贈る『サラサーテ』&『パリの香り、夢みるピアノ』

 【1】すべての弦楽器ファンに贈る『サラサーテ』Special Mook 2003
発行:アートユニオン 定価1714円+税

 弦楽器を楽しむファンが増えて弦楽器のムックの本が発行された。ヤマハのサイレント弦楽器の販売台数も増加しているようだ。多くの音楽を楽しむ層の拡大はクラシックのファンに必要なことである。

 弦楽器を買ったが思うように鳴らす(慣らす?)ことが出来ず、お蔵入りの状態になった話もよく聞く。「困ったときの目的別処方箋」『ヴァイオリン・メソード マップ』がピンチ脱出のガイドブックになりそうだ。弦楽器のメンテナンスからやさしい弦楽四重奏の楽譜までついて、初心者向けの楽しい内容になっている。好評で書店でも品切れになっている。増刷で来週にも店頭に並ぶだろう。

詳細:「サラサーテ」
http://www.artuniongroup.co.jp/sarasate/index.html



中山正子/写真
 【2】『パリの香り、夢みるピアノ』
〜パリ音楽院と原智恵子に学んで

中井正子 著/山本美芽 構成
株式会社:ショパン 定価1300円(税別)

 雑誌「ショパン」掲載のピアニストとしての歩みのエッセーが山本美芽の構成で出版された。少女時代から母親にピアニストとしての夢を託されて、その成長の記録である。

 伝説のピアニストと言われる原智恵子の晩年の出会いは、彼女にとって大きなものとなった。国際コンクールでの活躍なども、実際のピアニストとしての活動と繋がらないもどかしさを感じるところを率直に語っている。パリ音楽院でイヴォンヌ・ロリオに学んだ頃の様子は、先日の来日で話題のピアニスト:ピエール=ロラン・エマールなどの俊英がたくさん顔を並べている。そのへんも大変興味深く読んだ。

詳細:新刊図書『パリの香り、夢みるピアノ』〜パリ音楽院と原智恵子の学んで
http://www.chopin.co.jp/c_book/book.html

 ◆中井 正子 ピアノリサイタル  シューマン・シリーズ 第1回
2003年6月3日(火)19時 東京文化会館小ホール

◎シューマン:謝肉祭 作品9
◎シューマン:クライスレリアーナ 作品16
問:03-3501-5638




5月12日(月)
ヨーロッパ・オペラ劇場を席巻する名演出家ギュンター・クレーマー:二期会「ばらの騎士」を演出

ギュンター・クレーマー&多田羅迪夫/写真
ばらの騎士/写真
ばらの騎士/写真
ばらの騎士/写真
ギュンター・クレーマー/写真
 ウィーンやザルツブルク、そのほかヨーロッパオペラ劇場で数々の名演出で評判のギュンター・クレーマーが、2003年7月の二期会50周年記念公演「ばらの騎士」の演出を担当する。この公演は二期会とケルン市立歌劇場との共同制作によるもので、R・シュトラウスの傑作オペラ「ばらの騎士」をオール日本人キャストで挑む意義は大きい。二期会の50周年の企画にふさわしい取り組みとなる。新しい時代の扉をたたく公演になるのではないだろうか。

 昨年行われた記者発表で語る演出:ギュンター・クレーマーと、「ばらの騎士」公演監督:多田羅迪夫の話をお聞き下さい。
http://music.co.jp/classicnews/interview/

 二期会では現在「ばらの騎士」のコレペティートル:オリヴィエ・ルブールによる音楽や発音の集中稽古が行われている。6月1日からは、演出助手のマルティン・ケンプによるアクティングリハーサルが豊洲のダイジョースタジオで始まる。また、6月上旬に衣裳デザイナーのファルク・バウアーの立ち会いで衣裳合わせに入る。クレーマーはウィーンの『トリスタンとイゾルデ』のあと7月1日から二期会の稽古に参加する。


◆ギュンター・クレーマーに関する情報
 現代オペラ界の中心的演出家として知られるギュンター・クレーマーが、ウィーン国立歌劇場で新演出作品に取り組んでいる。ウィーン国立歌劇場の総監督ホーレンダーは、就任以来10年目の節目を迎え、強力なラインナップを展開しているが、今シーズンのプレミエ(新演出上演)4本の中で、ギュンター・クレーマーは2本を手がけている。昨年12月に新音楽監督の小澤征爾で『ジョニーは演奏する』を演出して旋風を巻き起こした。現在、進行中なのが5月のワーグナーの『トリスタンとイゾルデ』である。指揮は絶好調のティーレマンでヨーロッパでの注目作品となる。

 今後の予定として今夏のミュンヘンフェスティバル『椿姫』、11月メトロポリタン歌劇場『ユダヤの女』、2004年夏ドレスデン州立歌劇場『こうもり』など、多忙なスケジュールが続く。
http://operabase.com/showart.cgi?id=none&lang=en&mode=p&name=Gunter Kramer


◆二期会創立50周年記念公演
ケルン市立歌劇場共同制作 東京二期会オペラ劇場
《ばらの騎士》

 台本:フーゴー・フォン・ホフマンスタール
作曲:リヒャルト・シュトラウス
公演監督:多田羅迪夫
オペラ全三幕字幕付原語(ドイツ語)上演

2003年7月
20日(日)15時   東京文化会館大ホール
21日(月・祝)14時     〃
26日(土)15時       〃
27日(日)14時       〃


指揮:エマニュエル・ヴィヨーム
演出:ギュンター・クレーマー
舞台美術:ユルゲン・ベックマン
衣裳:ファルク・バウアー
照明デサイナー:マンフレート・フォス
演出助手:マルティン・ケンプ、澤田康子
合唱指揮:松井和彦
副指揮:沼尻竜典、城谷正博、森口真司
コレペティートル:オリヴィエ・ルブール
原語指導:ミヒャエル・シュタイン
舞台監督:大仁田雅彦 
公演監督補:池田直樹


  7月20日、26日   7月21日、27日
元帥ヴェルデンベルク公爵夫人: 佐々木典子 大倉由紀枝
オックス男爵: 佐藤 泰弘 鹿野 由之
オクタヴィアン: 林 美智子 井坂 惠
ファーニナル: 加賀 清孝 小川 裕二
ゾフィー: 幸田 浩子 澤畑 恵美
マリアンネ: 渡辺美佐子 菊地 貴子
ヴァルツァッキ: 吉田 伸昭 谷川 佳幸
アンニーナ : 与田 朝子 西川 裕子
テノール歌手: 上原 正敏 井ノ上了吏
警部: 長谷川 顯 池田 直樹
公証人: 志村 文彦 筒井 修平
料理屋の主人: 牧川 修一 大野 光彦
元帥夫人の執事:  近藤政伸(全日)
ファーニナル家の執事:  松永国和(全日)
ほか     

管弦楽:東京都交響楽団 
合唱:二期会合唱団

詳細:二期会
http://www.nikikai-opera.or.jp/
http://www.nikikai.net/




5月12日(月)
エリーザベト王妃国際コンクールピアノ部門:ネット時代を反映して現地からホットレポート!

 2003年5月8日からいよいよ「エリーザベト王妃国際コンクール」(ピアノ部門)がはじまった。音楽評論家の諫山隆美氏がベルギーのブリュッセルから約1ヶ月、熱戦の模様を毎日レポートする。ネット時代を反映して、第1次予選初日より演奏レビューが即日ホームページを飾っている。各参加者の演奏直後の様子や、ロビー・ホール内、ブリュッセル市内の写真も楽しめる。

「エリーザベト王妃国際コンクールピアノ部門」速報!
http://www.piano.or.jp/special/2003/elisabeth/index.html

 2003年は4年に一度開かれる「エリーザベト王妃国際コンクール」ピアノ部門の開催の年にあたる。ポーランド/ワルシャワで開かれる「ショパン国際ピアノコンクール」、ロシア/モスクワで開かれる「チャイコフスキー国際音楽コンクール」、この3つの国際コンクールは世界三大音楽コンクールに数えられる。

全参加者は109名でそのうち日本人11名となっている。
Mr Kazumasa MATSUMOTO(松本和将)
Mr Hiroaki TAKENOUCHI(竹ノ内博明)
Ms Atsuko OBA(大場温子)
Ms Mako OKAMOTO(岡本麻子)
Ms Yuma OSAKI(大崎結真)
Mr Hironao SUZUKI(鈴木弘尚)
Ms Aiko YAJIMA(矢島愛子)
Ms Eri YAMABE(山辺絵理)
Ms Keiko HATTORI
Monsieur Yusuke KIKUCHI
Mademoiselle Ayano SHIMADA

◆今後の予定
●第1次予選
 5月8日(木)〜16日(金) 15:00〜 20:00〜
 (5月16日(金) 第1次予選通過者24名発表)
●第2次予選
 5月19日(月)〜24日(土) 15:00〜 20:00〜
 (5月24日(土) 第2次予選通過者12名発表)
●本選
 6月2日(月)〜7日(土) 20:15〜

国際ピアノコンクール・フェスティバル情報(PTNA HP)
http://www.piano.or.jp/news/internationalcompetition/list.html




5月12日(月)
春のヨーロッパ【1】バイエルン歌劇場

 ザルツブルク復活祭は1サークル4日の日程、それだけではせっかくヨーロッパへ出かけるのがもったいない。そこで、各地の歌劇場のスケジュールを調べ、日程、曲目からミュンヘン、シュトゥットガルト、ウィーンの3都市を選びオペラを味わった。それぞれオペラの中心地だけに活発な活動ぶりが体験できたのは大きな喜びだった。昨年と違いイースターの遅い今年は気候はもう春、毎日青空のもと快適な旅行が出来た。みぞれまじりだった昨年と比べると雲泥の差である。


ボルトンの指揮に魅了された「フィガロ」


  フライトの関係でまずミュンヘンに入り、3つのオペラを見ることが出来た。ここは2年ぶり、前回はコンヴィチュニー演出の「パルシファル」を見たくて雪のちらつく中ザルツから駆けつけた事を思い出した。今度のメインはI・ボルトン指揮の「フィガロの結婚」。ドルン演出、装置・衣装J・ローズの舞台は、2001年バイエルン歌劇場来日公演で紹介されたものだが、その時は見なかった。というよりメータの指揮に興味を失くしパスした。「トリスタンとイゾルデ」第2幕の、およそ盛り上がりのない、まるでモニター室で聴いているかのような指揮にすっかり幻滅し、残りの2作ともパスしたのだ。

 しかしボルトンの指揮となれば話がちがう。今ミュンヘンでハイドン、ヘンデル、モンテヴェルディ、モーツァルトなどを振って評判の極めて高い若手指揮者、一度聴きたいと思いながら今日までチャンスがなかったのである。同じ世代のミンコフスキにはザルツで接し、大きな感銘を受けたので、彼への関心もますます高くなるばかりだった。

 序曲が始まるとすぐ思わず大声を上げたいほど彼の指揮は素晴らしかった。小編成のオケをバランス良くならし、理想的ともいえる見事なアンサンブルを繰り広げていた。オケの響きにウィーンのような艶はないが、各楽器の音一つひとつが明瞭に聴こえ、眼前によく整った音のパノラマが広がり、まるで夢の世界にいるようだ。これこそ理想のモーツァルトだ、と叫びたくなるような演奏だ。気品があり、格調高い演奏の出来る指揮者が少なくなったが、彼の演奏にはそれがある。期待した以上の存在に心おどった一夜だった。

 歌手はマッテェイ(伯爵)、ロークロフト(夫人)、レリア(フィガロ)、ジョシュア(スザンナ)、コジェナー(ケルビーノ)の顔ぶれ。すてきな白の舞台でそれぞれの登場人物が生き生きした動きを見せていたのが印象に残った。中ではコジェナーがチャーミングで舞台全体に輝きを与えていたことを特筆したい。'70年代にカラヤンがザルツで同じ「フィガロ」をポネルの演出、舞台で上演していたが、あの舞台もミュンヘンとほぼ同じように真っ白なものだったことを思い出す。(4月10日)



低調なヴェルディ演奏


 翌日はヴェルディの「仮面舞踏会」。ミュンヘンのイタリア・オペラは昔からアッバード、ムーティ、シノポリ、シャイーなど良い指揮者が出演し、定評があった。近年はパタネ、サンティなどヴェテランが登場し、伝統は受け継がれているものと考えていたが、この夜の演奏を聴いた限り、残念ながら事実とは言えなかった。

 アメリカ人のフィオレの指揮が失望の原因。前奏曲からしてヴェルディの音楽として首をかしげたくなる演奏。リズムは平坦で、ダイナミズムがなく、全体がのっぺりとしたもの。その上、歌手もオネイル(リッカルド)、ガヴァネッリ(レナート)、ルカース(アメリア)、ウングレアヌ(ウルリカ)など、国際的に活躍中の顔ぶれにもかかわらず、どこか魅力に乏しかった。ヴェルディ中期の傑作特有なドラマティックな音楽が十分に味わえなかった。

 それに演出のカーンズの意図が中途半端で、2幕のアメリアがヴェールを脱ぐ場面、3幕のリッカルドが殺される場面など、重要な場が気がつかぬ間に終わってしまったのには失望した。改めて水準の高い公演を連日続ける難しさを痛感した。(4月11日)



ミュンヘン伝統の「ばらの騎士」


  その後、ザルツからシュトゥットガルトへ行き、ウィーンに飛んだが、復活祭の日曜日にはオペラがなく、日帰りでミュンヘンで「ばらの騎士」を見た。最初の来日公演であのクライバーが振ったのと同じシェンク、ローゼによって1972年に制作された定評ある舞台だ。

 ロット(元帥夫人)、フィンク(オックス男爵)、キルシュラーガー(オクタヴィアン)、ムピィー(ゾフィー)の顔ぶれでオーガンが指揮したが、R・シュトラウス独特の情緒にやや欠けるものの、全体をうまくまとめ、なかなかの好演だったと言ってよい。いま少しの優雅さが欲しかったが、それは無い物ねだりかもしれない。ひさびさ典雅なオペラの世界に浸れたのは事実なのだから。10時半すぎに終わり、夜行列車でウィーンへ向かったが、オペラの感動を一人で噛みしめる一抹の寂しさがあった。(4月20日)

音楽ジャーナリスト:岩崎和夫




5月12日(月)
【CD情報】「チェロ・アンサンブル・サイトウ/24人の直弟子による恩師への讃歌(齋藤秀雄生誕100年記念)」

◆チェロ・アンサンブル・サイトウ/24人の直弟子による恩師への讃歌

 曲目:
(1)バッハ(トーマス・ミフネ編曲):G線上のアリア
(2)グリーグ(トーマス・ミフネ編曲):ホルベルク組曲
(3)チャイコフスキー(堀了介、千本博愛編曲):ワルツ 〜 弦楽セレナードより
(4)ヴァイル(寺嶋陸也編曲):性の魔力についてのバラード〜音楽劇「三文オペラ」より
(5)ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第1番
(6)クレンゲル:讃歌(ヒムヌス)
演奏:
「チェロ・アンサンブル・サイトウ」=秋津智承、アンドレ史朗ローラン、伊堂寺仁、岩崎洸、大久保恵、倉田澄子、桜庭茂樹、称原哲雄、多賀谷志野、千本博愛、堤剛、鳥谷望、西内荘一、丹羽経彦、堀了介、升田俊樹、松波恵子、嶺田健、森純子、柳田耕治、山下泰資、山崎伸子、渡辺暁、渡辺滋 以上24人
3曲は4人の孫弟子も演奏:石川裕治、田中雅弘、長谷部一郎、山本裕康
録音:2002年5月31日東京・サントリーホール  2002年5月28日、29日東京・IMAホール
録音・制作:N&F Co,.Ltd.
販売:ユニバーサル ミュージック(株)IMS
SACD HYBRID DISC NF61401(希望小売価格 4500円)
3種信号入り((1)CD (2)SACDステレオ (3)SACD5.1サラウンド)

 このCDは2002年5月の齋藤秀雄生誕100年記念公演の時にセッションがもたれたものだ。斎藤秀雄が残したものは、我が国のクラシック界の大きな遺産そのものである。これだけの人材を輩出したのは本当に驚異的である。

 チェロ・アンサンブル・サイトウは、齋藤秀雄(1902年5月23日〜1974年9月18日)の7回忌にチェロの弟子達が集まって演奏することを計画、1982年5月に堤剛、岩崎洸をはじめ、世界で活躍するチェリスト28人で演奏会を行ったのが始まりである。この成功が齋藤秀雄の没後10周年(1984年9月)におけるサイトウ・キネン・オーケストラにつながっている。

 「讃歌」と演奏会でアンコールとして演奏された「G線上のアリア」「チャイコフスキーのワルツ」には、4人の孫弟子(石川裕治、田中雅弘、長谷部一郎、山本裕康)が特別参加しており、この3曲は28人での演奏となっている。「ホルベルク組曲」の終曲では岩崎洸が、ヴァイルの「性の魔力についてのバラード」では堤剛が、それぞれ味わいのあるソロを聴かせてくれるのも魅力的である。





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